2015年の良き漫画。
新作にかぎらず2015年に読んだものの中からいくつか面白かったもの、印象に残ったものを。
順不同。
響~小説家になる方法~ / 柳本光晴 (ビッグコミックス)
純文学の小説家を目指す女子高生の話。ありそうでなかったような。特に純文っていうのが。
主人公である響が純文学な割に心の通ったぶっ飛んだキャラで、純文学っていう固さとバランスが取れてて良い感じ。
今後どうなるかは分からないけど、困難にぶつかりながらも有名小説家になっていくサクセス・ストーリー、というより、才能ある響を中心とした周辺の群像劇的な感があるので、そういった面でも良い意味で一癖ありそうでおすすめ。
自己主張が強くない地味に凄いやつにその周りが勝手に振り回されていく、そんな感じ。

- 作者: 柳本光晴
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/02/27
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (2件) を見る
羊のうた / 冬目景 (バーズコミックス)
イエスタデイをうたってが終わったというのと、冬目景展にも行ってきたのでだいぶ昔に読んだけど再読。
血を欲する奇病に囚われた一族の話。
今読んでも全然色あせない、独特な退廃的で歪んだ美しさのある冬目景ワールド。
イエスタデイと合わせてこちらもどうぞ。

- 作者: 冬目景
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2015/07/01
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
僕だけがいない街 / 三部けい (角川コミックス・エース)
再上映(リバイバル)という能力を持った主人公のタイムリープ、サスペンスもの。
といっても能力バトルとかでは全然なくて、近くにいる人が危険な目に合いそうになると、その危険が発生する以前まで時間遡行して危険が回避されるまで繰り返されちゃうという能力。
そんな状態で色々あって主人公の母親が殺される目にあい、リバイバルで18年前までタイムリープ。
母親が殺される未来にならないように行動していく話。
過去には戻れるけど行動できることは凡人と同じなので、SFものというより普通にサスペンスなところがこの作品のいいところ。凄い複雑に伏線が張られまくってる。
アニメ化も決定してます。

- 作者: 三部けい
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2013/01/25
- メディア: コミック
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (128件) を見る
海帰線 / 今敏 (KCデラックス ヤングマガジン)
今敏の古い作品。
古くから海人(人魚)の言い伝えがあってずっとその卵を守ってきたにもかかわらず、その言い伝えのある海辺の街に都市開発の話が進み、そのせいで卵を中心に古き良き文化が壊されそうになっていく話。
自然からの仕返しとして津波が襲うので今じゃ確実に書けなそうだけど、おそらく時代的にバブルな時代だったので、そういったことに対する内容な気がする。
内容と合わせて大友克洋のアシやってたこともあってか背景を中心に魅せるコマ割りで絵的にも見応えありです。

- 作者: 今敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/01/21
- メディア: コミック
- クリック: 15回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
百万畳ラビリンス / たかみち (ヤングキングコミックス)
LOで有名なたかみち先生のSFもの。
ゲームのデバッガーをしてる女子二人が、突然、映画のキューブみたいな、絵画のエッシャーみたいな世界に放り出されたところからスタートして、ここはどこなのかなんなのか、どうやったら帰れるのか、いろいろ策を練りながら脱出を試みる話。
おそらくたかみち先生は普段あんなゲームやこんなゲーム(HaloとかマインクラフトとかアサシンクリードとかPortalとか..)をプレイして着想したんだろうな。。というネタが満載。
それこそ映画キューブのように世界の構造が複雑なので軽く置いて行かれそうになりながらも、こういうのを漫画にするのは凄いなと思います。
構図にしろコマ割りにしろ設定の矛盾にしろ大変そうすぎる。
エロだけじゃなかったんや!

- 作者: たかみち
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2015/11/11
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
あとがき
セールのせいもあって少しずつKindleで読むことが増えてきた。
あとアメコミ読みたかったのに結局読んでない。何よりも高い。。
デッドプールを読みたい。